皆さま、こんにちは!
まずは自己紹介から失礼します。きたかみチョイスで2016年9月より企画・マーケティングを担当しておりますカノと申します。

皆さま、ふるさと納税の返礼品は迷わずに決められましたでしょうか?

北上市の返礼品は、野菜、米、肉といった定番の内容から、除雪機や小型発電機などの工業製品まで幅広く取り揃えていることが特徴で、寄附者の皆さまからも「選ぶ楽しさがある!」とご好評いただいています。

そんなよりどりみどりの返礼品の中でも、この時期特に人気なのが、今回取材で取り上げるカシミヤ100%の「天使のストール」です。


カシミヤのひみつを探りに大阪へ飛びました!

カシミヤはストールやセーターなどに使われるので秋冬の身近な素材ではありますが、

・・・羊のようにバリカンで刈るの?

・・・毛はもふもふしてるの?

・・・というか「カシミヤ」って何のこと?


などなど、羊毛とも違って知られていないことが多いと思いませんか?
そこで先週末、私は急きょ大阪に飛び、カシミヤについて取材して参りました。

最高級のUTOカシミヤ製品を支える、東洋紡糸の優れた技術


この旅、ひとりでは心細いだろうということで、冒頭ご紹介した「天使のストール」を生産しているカシミヤニットメーカー・株式会社UTOの宇土社長と、UTO岩手工場の職人・玉澤さんにも同行していただきました。

大阪でカシミヤについて案内してくださったのは、UTOにカシミヤ糸をを提供している、大阪・東洋紡糸工業株式会社 代表取締役の川端社長(写真下)です。

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まずは糸になる前の原料のお話から伺ったのですが、カシミヤは、カシミヤ山羊から梳(す)いたうぶ毛であるということ、皆さんはご存じでしたでしょうか?


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写真(下)はうぶ毛を梳くのにつかう大きな櫛(くし)。
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この櫛を使って梳かれた毛は、さらに細かく「刺毛」と「うぶ毛」に分けられ(整毛工程)、細かいゴミをとりのぞき洗浄されます。


カシミヤ山羊の毛にも色があり、大きく分けると4つの色に分類されるのですが、今回は3つご紹介いただきました。微妙な加減でホワイト、グレイ、ブラウンと選別されているのがお分かりでしょうか?


① ホワイト
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② グレイ
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③ ブラウン
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どれも品質は全く同じですが、それぞれ色の着色に適した用途で使い分けされます。

たとえばホワイトで黒やネイビーなど色の濃い糸を作ろうとすると、多くの染料を必要としますが、最初からブラウンを使用すれば、濃い色に染めようとしても、適切な量の染料で間に合います。
ホワイトは主に明るい色の染料を必要とする時に使われるそうです。

次にどういうものがカシミヤと呼ばれる製品になるのか、とても厳しい基準があることを教わりました。

① カシミヤ山羊のうぶ毛由来の繊維であること

② 平均繊維直径19μ(ミクロン)以下であること

③ 30μ(ミクロン)を超える直径の繊維の重量比が3%未満であること

④ 平均直径中心の変動係数(CV)が24%以下であること

ちなみに30~40代女性の髪の毛1本が100μと言われているので、19μというのが如何に細いか、ご想像いただけるかと思います。

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驚いたのは、上記①~④をすべて満たさないと「カシミヤ」と呼べないことです。
「カシミヤ」になるのはカシミヤ山羊のうぶ毛の中でもごくごく一部なのです。


次に染色について。

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東洋紡糸工業がUTOに提供するカシミヤ糸は、すべて【ワタ】の状態で染色されます。

その理由は【原料を傷めない】ため。

ワタを染色する過程では熱を加えるのですが、加熱すること自体が、原料である整毛を傷める原因になります。

東洋紡糸工業は原料を傷めないことに徹底しており、低温で染色するという技術を持っているので、加熱を最小限に抑えた染色が可能なのでです。

これはつまり、風合いを保ったままカシミヤ糸の原料を作ることが出来るということです。



さて、座学はここまで。次は工場見学です。

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整毛は写真(上)のような袋に入った状態で海外から輸入されますが、袋の一部が割けていました。
これはどういうことかというと混率検査のためで、このように袋を破りカシミヤ糸の原料である整毛を取り出し、全ての原料の混率を調べているそうです。

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▲写真(左):株式会社UTO 宇土社長 (右):東洋紡糸工業株式会社 川端社長


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取材したこの日はブラウンのカシミヤを染色しているところでした。

染色後(こちらはワインレッドに染色したカシミヤ)
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次に糸のサンプルを保存している倉庫へ
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こちらでは3年間、取引先に納めた糸のサンプルを保存しているそうです。同じカシミヤ山羊のうぶ毛でも微妙に毎年色が変わるとのこと。

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UTOで人気の色【ロイヤルブルー】は4色の染色したワタをあわせて初めて完成します。
微妙な配合のデータは実物とともに大切に管理されています。

写真(下)は、取引先の希望の色味に合わせる色合せの工程です。
こちらでは手で糸を作っています。

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この工程は20代女性の若い職人さんが担当されていたのですが、机の上にはこんなかわいらしいものも。

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糸のままだと製品に仕上げた後の状態が分かりにくいので、例えば「オレンジ」でも3パターンほど微妙に違う「オレンジ」の糸を使って、製品として編んだ状態で取引先にご覧いただくそうです。
確かにそのほうが分かりやすいですよね。


お昼を挟んで午後からは別の工場へ向かい、実際にカシミヤ糸を作っているところを見せていただきました。

染色後のワタは乾燥されてからここへ運ばれます。

ワタは乾燥の際、風合いを保つため特殊な油でコーティングされます。
その後、適量ずつ機械に入れ薄いシート状にします。
この一連の工程を何度か繰り返すと少し厚みのあるシート状になるのですが、手形をつけてみました。
こんな経験は滅多にできません!


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「手形のついた糸ができるよ。」
川端社長が関西弁で軽快にジョークを飛ばします。



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この状態では、まだまっすぐな糸で強度がありません。
ここで【撚り】作業に移ります。

職人さんがすばやい手つきで適量な長さにカットし、電子はかりで重さを計測します。

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このあと全ての糸を製品検査に回し、合格したものだけがコーンと呼ばれる形状にまかれ、取引先に納品されます。

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▲UTOに納品されたコーン巻のカシミヤ糸

カシミヤ糸の旅を終えて

川端社長のお話の中で、一番印象に残った言葉が「糸が勝手に語ってくれる。」でした。

どんな言葉を並べたとしても、糸の良し悪しは、真っ先に作り手に伝わります。
作り手であるニットメーカーの宇土社長は東洋紡糸の技術に厚い信頼を寄せています。
言ってみれば両社は最高のパートナー。
世界最高峰の糸が、世界でもトップクラスと評価される職人の手で製品に仕上がった時、糸はどんなことを使い手に届けてくれるでしょうか。

最高級のカシミヤ糸を100%使ったカシミヤ製品は、北上市のUTO岩手工場からお届けします。
一生モノのカシミヤをぜひあなたにも。